敷金返還に関するトラブル|返ってこない場合の対処法は?
敷金とは、地代・家賃などの借主の貸主への支払債務の担保のため貸主に交付する金員です。
賃貸借契約が終了し、物件の返還(物件からの退去)がされ、借主の残債務(借主負担の原状回復費用を含む)があってこれと敷金とが精算されれば、敷金の残額は返金されることになります。
今回は、敷金が返還されないというトラブルが発生した場合の対処法に関して解説していきましょう。
敷金返還の流れ
まずは、敷金が返還されるまでの流れを確認しておきましょう。
敷金が返還されるのは、賃貸物件退去時ですので、退去のタイミングから確認していきます。
家主側が原状回復費用の見積もりを行う
賃貸物件を退去するタイミングで、家主もしくはその代理である業者立会いの下で、退去する物件の状況を確認します。
この確認作業の後、原状回復に必要な費用の見積もりが作成され、借りていた方にも報告されます。
原状回復費用が提示される
退去した方の手元に原状回復費用に関する見積もりが届き、敷金で支払える範囲かどうかが判明します。
原状回復費用を支払ったうえで、残った敷金は借りていた方に返還されます。
返還のタイミングは、退去後1ヵ月以内が多いでしょう。
敷金が返還されない場合の対処法
敷金が返還されない場合の対処法を解説していきましょう。
敷金が返還されない理由は、大きく分けて2つ考えられます。
1つは原状回復費用が高額で、敷金全額を使用することになるケースや、敷金だけでは足りずに、さらに原状回復費用を請求されるケースです。
もう1つは、余ったはずの敷金がいつまで経っても返還されないというケースです。
それぞれの対処法を解説していきます。
原状回復費用に疑問がある場合
原状回復費用が高額すぎると感じた場合は、原状回復費用に経年劣化として認められる部分が含まれている可能性があります。
賃貸借契約書に明記されない限り、経年劣化による部分の原状回復に関しては、物件の所有者負担であり、借主負担とはなりません。
また、契約書に経年劣化による部分の原状回復費用を借主が負担する特約がされていても、借主が消費者で貸主が事業者の場合はその特約が無効と判断される場合もあります。
つまりこれらの場合、経年劣化の回復費用は、敷金で負担すべきではないということになります。
こうした疑問がある場合は、消費生活センターや各都道府県が設置している不動産問題の相談窓口などに相談してみましょう。
相談の際は、その賃貸物件にどのくらいの期間住んでいたかなどの情報がある方が話がスムーズです。
また、こうした不動産契約トラブルに強い弁護士を頼るのもおすすめです。
返還を約束したはずの敷金が返還されない場合
原状回復費用と敷金の差額分を返還するとしながら返還されないというケースは、単純に家主による契約不履行です。
まずは内容証明郵便により請求する、それでも支払われない場合は裁判手続きを利用するなど法的対応が必要になりますので、弁護士に相談するのがおすすめです。
まとめ
敷金とは、借主の債務支払いの担保として、入居時に家主に預けているお金です。
敷金は退去時に借主の原状回復費用などの債務に充当され、余った分は当然借主に返還されます。
ただし経年劣化と認められる部分に関しては、契約書に明記がされない限り借主が負担する必要はなく敷金からの充当はありません。
敷金の返還でトラブルが発生した場合、法的な対応が求められるケースが多く、個人で対応するのは簡単ではないでしょう。
自力での対応が難しい場合には、弁護士への相談を検討してください。
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ご挨拶
社会の隅々にわたり本来あるべき姿の権利の実現を目標に、平成31年2月に名古屋の地において金山法律事務所を設立しました。社会の様々な仕組みや制度が専門高度化するにつれ、権利の実現にもより高度な専門知識が必要となってきています。現代の社会変化の速度についていくためにも、常にアンテナを張り続けることを心掛けております。また、権利実現のため、1つ1つの案件に対して、誠実に取り組む姿勢を忘れないことも心掛けております。
- 【経歴】
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愛知県名古屋市出身
2004年3月 名古屋大学経済学部卒業
2014年3月 名古屋大学大学院法学研究科実務法曹養成専攻(法科大学院)修了
2017年4月 弁護士登録(愛知県弁護士会)
2019年2月 金山法律事務所設立
- 【所属団体】
- 愛知県弁護士会(55521)
事務所概要
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