売掛金の未回収問題において弁護士が対応できることとは
企業間取引で売掛金の回収が滞ると、資金繰りに深刻な影響を与えるおそれがあります。
ここでは、売掛金の未回収問題において弁護士が対応できることとは何かについて考えていきます。
売掛金の未回収問題を放置するリスク
売掛金が未回収であると、以下のように企業の経営に悪影響を与えます。
資金繰りの悪化
売掛金は、将来的に入金されるべきものであり、売掛金が回収できないと、手元に現金が入ってこないことになります。
これによって、仕入れ代金や従業員の給与、家賃などの支払いに充てる資金が不足し、資金繰りが悪化することになります。
回収不能のリスクが高まる
債務者である取引先の経営状況が悪化し、最終的に倒産してしまえば、売掛金は完全に回収不能となるリスクが高まります。
弁護士が対応できること
すでに未回収が生じている売掛金について弁護士は以下の対応が可能となります。(なお、未回収は生じていないが、信用に不安のある取引先に対する既発生・未発生の売掛金に対する保全方法については別途の方法になります。)
内容証明郵便による督促
弁護士は、まず債務者に対して内容証明郵便で督促状を送付します。
支払期日や、期日までに支払いがなければ法的手続きに移行する旨を明確に伝えることで、債務者の支払いを促します。
支払督促・訴訟
内容証明郵便による督促でも効果がない場合、弁護士は支払督促や訴訟提起などの法的手段を検討します。
支払督促とは、債務者が異議を申し出ない限り簡易な手続きで強制執行の根拠となる文書である債務名義を取得できる制度です。
仮に、債務者が支払いを拒否している場合などは、弁護士が代理人として裁判所に訴訟を提起することができます。
強制執行
支払督促や訴訟によって債務名義を取得しても、債務者が任意に支払いに応じない場合、弁護士は強制執行の手続きを進めます。
強制執行とは、裁判所の命令に基づき、債務者の財産を差し押さえて、そこから債権を回収する手続きです。
差し押さえの対象となる財産には、銀行口座にある預金、不動産、動産、売掛債権などがあります。
弁護士は、債務者の財産状況を調査し、最も効果的な差し押さえ方法を検討・実行します。
交渉や和解案の提示
弁護士は、単に法的な手続きを進めるだけでなく、債務者との交渉を通じて、柔軟な解決策を探ることも可能です。
たとえば、債務者の経営状況を考慮し、分割払いや支払猶予などの和解案を提示し、合意形成を目指すこともあります。
裁判外での和解は、裁判にかかる時間や費用を節約できるだけでなく、今後の取引関係を維持したい場合にも有効です。
まとめ
弁護士は、内容証明郵便による督促から、支払督促、訴訟提起、強制執行といった法的な回収手段、さらには債務者との交渉や和解案の提示まで、状況に応じてあなたの企業経営をサポートします。
売掛金の未回収問題は放置せず、弁護士に相談することをおすすめします。
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弁護士紹介

ご挨拶
社会の隅々にわたり本来あるべき姿の権利の実現を目標に、平成31年2月に名古屋の地において金山法律事務所を設立しました。社会の様々な仕組みや制度が専門高度化するにつれ、権利の実現にもより高度な専門知識が必要となってきています。現代の社会変化の速度についていくためにも、常にアンテナを張り続けることを心掛けております。また、権利実現のため、1つ1つの案件に対して、誠実に取り組む姿勢を忘れないことも心掛けております。
- 【経歴】
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愛知県名古屋市出身
2004年3月 名古屋大学経済学部卒業
2014年3月 名古屋大学大学院法学研究科実務法曹養成専攻(法科大学院)修了
2017年4月 弁護士登録(愛知県弁護士会)
2019年2月 金山法律事務所設立
- 【所属団体】
- 愛知県弁護士会(55521)
事務所概要
事務所名 | 金山法律事務所 |
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所在地 | 〒460-0022 愛知県名古屋市中区金山1丁目13番7号 ひのでビル302号 |
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