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【弁護士が解説】債権回収における仮差押えの要件と流れ

債権を回収できていない相手が財産を隠したり処分したりする兆候が見られる場合には、仮差押えという手続きを用いることを検討すべきです。

ここでは、弁護士が債権回収における仮差押えの要件と流れについて解説します。

仮差押えとは

仮差押えとは、金銭の支払いを目的とする債権を将来確実に回収できるようにするため、債務者の財産を一時的に処分できないようにする手続きをいいます。

この手続きは、債権者が裁判で勝訴判決を得て強制執行を行うまでの間に、債務者が財産を隠匿したり処分したりするのを防ぐことを目的としています。

仮差押えの要件

仮差押えの命令を裁判所に発してもらうためには、以下の要件を満たすことを一応確からしいと裁判所に推測させる程度に証明(疎明)する必要があります。

被保全権利の存在

債権者側は、たとえば売掛金債権、貸金債権、損害賠償請求権など仮差押えによって保全すべき金銭債権が存在することを疎明する必要があります。

保全の必要性

仮差押えをしないと、債務者が財産を隠匿または処分してしまい、債権者が将来金銭の支払を命じる確定勝訴判決を得て強制執行しても、債権回収が不可能または著しく困難になるおそれがあることを疎明する必要があります。

仮差押えの流れ

仮差押えの手続きは、迅速性が求められるため、通常の訴訟とは異なる流れで進みます。

弁護士への依頼・証拠収集

まず、債権回収の経験が豊富な弁護士に相談し、経緯を説明します。

弁護士は、債権の存在を証明するための契約書、請求書、振込明細、メールなどの証拠を収集し、整理するとともに、仮差押えの対象となる債務者の財産調査(銀行口座、不動産登記情報など)も行います。

裁判所への申立て

収集した証拠に基づき、弁護士が仮差押命令申立書を作成し、裁判所に提出します。

担保金の供託

仮差押えは、債務者の財産を一時的に拘束するため、万が一債権者の主張が誤っていた場合に債務者が被る損害を賠償するため法務局に担保金を供託する必要があります。

仮差押命令の発令と執行

裁判所は、提出された申立書と疎明資料を審査し、要件を満たしていると判断すれば仮差押命令を発令し、対象財産に対して処分制限をかける執行手続きを行います。

(債務者からの申立てがあった場合)本訴提起

仮差押命令が発令された後、債務者から本訴提起命令(起訴命令)の申立てがあった場合、債権者は裁判所が指定する一定期間内(2週間以上)に本訴を提起し、そのことを証明する書類を提出しなければ、仮差押命令が取り消されてしまいます。

まとめ

仮差押えの要件を満たすための疎明、証拠の確保、財産調査、申立書の作成、担保金の準備などには専門的な知識と経験が必要です。

仮差押えを検討されている方は、債権回収に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。

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ご挨拶

社会の隅々にわたり本来あるべき姿の権利の実現を目標に、平成31年2月に名古屋の地において金山法律事務所を設立しました。社会の様々な仕組みや制度が専門高度化するにつれ、権利の実現にもより高度な専門知識が必要となってきています。現代の社会変化の速度についていくためにも、常にアンテナを張り続けることを心掛けております。また、権利実現のため、1つ1つの案件に対して、誠実に取り組む姿勢を忘れないことも心掛けております。

【経歴】

愛知県名古屋市出身

2004年3月 名古屋大学経済学部卒業

2014年3月 名古屋大学大学院法学研究科実務法曹養成専攻(法科大学院)修了

2017年4月 弁護士登録(愛知県弁護士会)

2019年2月 金山法律事務所設立

【所属団体】
愛知県弁護士会(55521)

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